Sunday, August 11, 2019

人に強くなる極意 by 佐藤優

過去に鈴木宗雄議員とともに国策捜査をされた佐藤優さんの本です。
6年ほど前の書籍になりますが、元外務省官僚の書籍は大変勉強になります。

怒らない」「びびらない」「飾らない」「侮らない」「断らない」「お金に振り回されない」「あきらめない」「先送りしない」の8つのテーマで書かれております。

「怒らない」
良い物語で人生を疑似体験する。良い小説は、人間の内面に深く向き合った作品であり、それらを通してさまざまな人生を「代理経験」する。それによって、相手の心情を知ることができる等、感情のコントロールをしやすい土台が読書を通じて出来上がるというわけです。

「びびらない」
人間はよくわからないもの、不可解なものに対してびびる。
相手の「内在的論理」が分かれば必要以上に恐れることはなくなります。
状況を類推できれば恐怖は消える。
⇨先ほど出てきた、「代理経験」の重要性。
 実際にそのような体験をした人から話を聞く。怖い体験をした人から話を聞く。本や映画からでもいい。

代理経験をしていることで、実際に自分が同じような状況下に置かれた際に「冷静」になることができる。

※注意!! 自分の力よりも圧倒的に大きなもの、自分の限界を超えているものに対して虚勢を張ることは危険です。

☆自己の経験の中で、何らかのカテゴリーに振り分けられていれば、そのような恐怖心に陥ることはありません。⇨落ち着いて、問題に対処することができるようになります。
 
飾らない
私たちの社会には必ず何らかの階層があり、そこで這い上がっていくにはそれなりのルールや評価体系、制度があります。ただし、そういうものにどっぷり浸かるのではなく引いた目線でそのカラクリを認識しておく。どこか冷めた目で世の中を客観視し相対化することが大事です。

相手が大物であればあるほど、こちらの嘘や飾りなどは見抜かれてしまいます。

飾らない関係=素の関係=シンプルな関係
無駄なコミュニケーションがなく、深いところでお互い認め合い確認し合う。
とてもシンプルですが深い。そういう関係!

こういう関係を作るのは、実はそんなに難しいことではありません。とにかく仕事と仕事をする相手に対して真摯に向き合って、嘘や偽りを排除していけばいい。自分を飾らず等身大で仕事をしていれば、同じような仕事の形で返してくれる人は自然に増えるはずです。

侮らない
仕事の現場で「侮らない」ということは、メンテナンスとかフォローをしっかりする、という意味合いも強いと思います。
便利な時代だからこそ、いろんなところに小さな落とし穴がある。
その危険に気づいているかどうか。

断らない
明日できることは今日やらない。
一見膨大な仕事が迫ってきていると感じても、時系列で整理すればそんなに恐れることはないと気がつくはずです。

相手を断らずに受け入れるということは、ある意味で自分を押し殺さなければならない部分を生じさせます。それ自体がストレスにもなるでしょうし、自分の時間を奪われるというリスクにも繋がります。さらに、相手の考え方や存在そのものが、自分の存在を脅かすこともあります。それまで自分が信じていた価値観や考えを否定されてしまう可能性もある。それは時にとても辛いことでもあります。それまでの自分を否定されてしまうわけですから相手を拒まず受け入れるということは、そういった様々なリスクと向きあることです。実際に予期せぬトラブルに巻き込まれることだってある。⇨(自分の考え)相手を理解したいときは、それくらいの覚悟を持ってぶつかっていくことも大事だと思う。

自分を取り巻く人たち、目の前に起こる様々な出来事を受け入れる。それと誠実に精一杯向き合えば、自ずと運命は次のとるべき道、進むべき舞台へと導いてくれる。

お金に振り回されない
自分の労働をいかに高く売るか。
お金を味方につけるような生き方をしなければいけない。
「コモディティになるな、スペシャリストになれ」by勝間 = 代わりのきかない人材になる。

資本の力とは、全てを商品化する力とも言えます。その流れに流されずに抵抗するには、自分自身がモノに落ちない抵抗をしていかなければなりません。そこを意識しながらキャリアを積んでいくことが重要です。

あきらめない
「何に対して、どうあきらめないで頑張るのか」が大事。
過去にとらわれずに今努力すれば、それは将来必ず結果を出すものだと仏教は考えます。
何か目標設定をするときは、完成形がイメージできるもの、現実可能なものにすることが大切です。

成功体験を積み重ねること。
「あきらめないこと」「あきらめるべきこと」の2つを選り分けて、上手にマネジメントしなければなりません。
⇨「内反ノート」をつけること。
結果、客観的に、自分を見つめ直すことにつながる。期限を設けることで、「執着」することなく、次に向かうことができる。
何事も、始める前に終わりと出口を明確にしておくことが大事です。

「あきらめないこと」を複数設定する。次の目標へのモチベーションにもつながる。
「あきらめないこと」をマネジメントするというのは、主体性を持つこと。自分で自分を見つめながら自分をコントロールする。
自分にとって意義のあるものに対して「あきらめない」で頑張る。自分で決めて自分のペースで追い求めることが大切なんです。

先送りしない
物事の優先順位を幹分けるためにノートに書くこと。
⇨可視化と空間化につながる。

人間は決断することを恐れている。
普段からいろいろなことを頭の中で考えシュミレーションしているかどうか。それができているから、いざ問題が起きた時の判断が早いしブレないんです。
とくに、上に立つ人は思いついたことをすぐに口に出してはいけない。一回頭の中で考えてから公言する。そのためにも、常にいろいろな状況を想定して、「こうなったら、こう対応する」というシュミレーションをしておくことです。⇨リスクマネジメントができなければいけない。

単なる労働力にならないためにも。
言うまでもなく個々の人間にとって、時間は有限なもの。

誰にでも不祥事を起こす可能性はある。
過酷な状況で思わず逃げ込んだ道が、実はとんでもない袋小路につながることもある。
そういうときは、とにかく一人で考え込まずに誰かに相談する。友人でもパートナーでも親でも、とにかく誰かに直接話す。そのときはどんなに恥ずかしかったり情けなかったりしても、さらなるドツボにハマるよりはずっとマシです。


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